やや南寄りの西風が吹き荒れた一日。
煽られて揺れるカーテンの様子に惹かれて、彼女を写すことにした。
8月4日付で画像が公開された中嶋清八氏の新作ドールの美しさに
魅せられたこともきっかけになっている。
(続き)
彼女の左目、涙のような輝きが目立っている。
こんな感じは随分久しぶりのような気がするが、
ただ私が気づかずにいただけ、或いは忘れていただけなのかもしれない…。
カーテンが揺れて光の強さが目まぐるしく変化する。
窓の向こうの空を見上げたら
白い雲が流れていって、太陽を遮っている時が多いことも分かった。
こんな空を見上げて、「漂泊の思ひやまず」と想う人もいるのだろう。
しかし今日の私には、流れていく雲が
何かが崩れて落ちていくような不安の形象として映った。
遠くにあるという三つの台風が頭の中を過ぎった所為なのか。
アスペクト比 16:9 の画像を縦置きにしている。
インスタグラムには、このままの形で載せることができない。
しかし、この縦長の画像が静かにスライドしていく様子や
彼女の顔の翳りが変化するのを眺めていると
雲に見え隠れする月の面を見詰めている気分になる。
私のすぐ近くに横たわっていても
遥かな距離を感じさせてくれる美しさだ。