前回の "Yu-ko: White bird song" から日を置かずに撮影したシリーズ。
彼女の新しいフォトブックを作りたくなって
下書きを始めてみたところ、
一冊編むには、手持ちの画像が余りにも少なかった。
しかし、その後、今日の分に加えて別のシリーズも撮り終えたが、
今のままでは完成は難しいかもしれない。
(続き)
この子の美しさは、息を呑むしかない。
上のような画像が無ければ、美しい人を見つめていたという錯覚から
覚めることがないようにさえ思える。
フォトブックの完成が覚束ないように感じるのは、
ひとえに下降傾向にある私の気持ちの問題から。
こんな時には、何もしない方がよいし、口も閉ざしてしまうべきなのだ。
どこかに寝転んで青い空でも眺めていたい。
ふと父が写した古い写真を思い出した。
セルフタイマーで写したのか一家四人が写っていて、
母の買い物用袋の中の、小さなクリアファイルに残されていた。
一辺が5cm 弱の正方形。若い頃の父が自分で現像した白黒写真だ。
草叢にしゃがみこんだ四人の後ろには雲一つない空。
小学校に上がるまで通っていた保育園の行事の後だったのだろうか。
写真に纏わる記憶はないが、その草叢がどこだったのかは分かる。
図書館脇の一段高くなった石垣の上。
散歩の途中、犬を連れて行って、よく遊ばせた場所だった。
無論、そんな場所は50年近く前にはなくなっていて、
連れていた犬が死んだのは高3の冬の日曜日。
あまりにも悲しくて、その後、
退職して猫を飼うようになるまで、生き物を飼う気にはなれなかった。
飼う資格が、自分にはないと思っていた。
小さな白黒写真の中の青い空。
母は何を思って、そんな写真を持ち歩いていたのか。
私には分からないことが多すぎる。