"Yu-ko: do nothing" で触れていたもう一つのシリーズ。
彼女の新しいフォトブックは下書きのまま暫く眠らせることにした。
(続き)
ワイアートギャラリーで見た「アリスの人形」への思いが尾を引いている。
見納めとなる寂しさから
写真集があればなぁと考え始める。
ポストカードにはならなかった画像や製作途中のオフショットのようなもの、
さらには手書きの図面など。
人形制作の技術書プラス写真集のようなものを思い描いている。
作者独自の制作の秘密を曝すことになるかもしれないが、
誰もが簡単に真似できるというようなレベルでもないだろう。
昔、手に取ってみた建石修志氏の鉛筆絵画技法書も、そんな感じだった。
ギャラリーでお聞きした作者の呟きも心に残っている。
作っている間の記憶ばかりで、完成後の姿は僅かなものでしかない…
プロの作家であっても整理しきれない
感情の一端を垣間見た思いだった。
作者の新しい人形をまた目にする機会があるのだろうか。
そんな不安も手伝って、
勝手なことばかり書いてしまった。
中嶋清八ドールの写真集を作ろうと考える目利きの出版社がないのであれば、
クラウドファンディングで募るというのも一つだが
これも作者には煩わしい限りだろう。
私家版フォトブックを1~2冊作るだけでも汲々としている
自分のことを考えると、
最後の画像の彼女の眼差しが、何とも冷ややかなものに思えてきた。