"Yuzuki: Fearless looking" の続編。
撮影を終えるつもりでいたのだが、
彼女の近く、書物の下に敷いていた布を肩に掛けてやった。
所謂アクセントカラーなのだが、彼女が少し笑った気がしてならないのは、
もはや「人でなしの恋」に近い心境にいるのかもしれない。
(続き)
人形でも実際の女性の画像でも、スクロールする手が止まるのは
硬い表情を見つけた時。
笑顔よりは不機嫌そうな顔が好きなのだろう。
特徴のある眼差しに惹かれるのは自覚している。
見ているのは多分目ばかりなのだろう。
だから視線を合わせるのが苦手だし、一度合わせてしまうと、
それから逃れ難いような魅力を感じてしまう。
いつでも私は少しだけ視線の外にいる。
こっちを見てくれなくても構わないし、
その方が都合が良いとも思っている
それなのに、冷たいシリコンの、或いは固いビスクや石塑粘土の人形が
微笑んだように見えるとき、
何故こんなにも心が騒ぐのか。
作られた笑顔ではない。今目にしたのは一瞬の僥倖。
そんなことを考えるのだろうか。
何ヲ愚カナ。
しかし、そう思いたい者には、そう思わせておけ。
私は私の好きなものを見詰めるだけだ。