(続き)
久しぶりのドール撮影。
ピンクのストールを肩に掛けてやった。このシリーズでは、画面がそのピンクに支配されていて、彼女の頬も上気したように染まっている。
実は、このストールには白い部分がある。その白が表に出るようにアレンジすれば雰囲気が変わるという仕掛けなのだろう。少し青ざめて見える、レンズを換えたシリーズを、後日の為に残している。多分、いずれ公開するはずだ。
しかし、何故なのだろうか。上の横顔を眺めていて、水族館の大きな水槽の前に立っている場面を想い描いていた。私の横には、私よりも遥かに背の高い女の子がいて、エメラルドグリーンの豊かな長い髪をしている。
彼女の遥かな眼差しを見詰めていると、私は彼女に、夢邪鬼さん?と尋ねてもらいたくなっていた。
そう呼ばれても、彼女に掛けるべき言葉を何一つ持ち合わせていないのだが。