嵐の前々日のこの日、空は快晴。
傾いた西日が、こんな所にまで_と思うほど、奥処に達していた。
彼女の眼差しは、こちらを見詰めていても、
私など存在しないかのように通り越してしまって、
この世の外を見ているように思えてならなかった。
(続き)
わずか 65cm の人形でありながら、
レンズ越しに見る存在感は、等身大ドールと変わらない。
Lord Dunsany の "The King of Elfland's Daughter" という物語を思い出す。
人の形をしていても、彼女には人間特有の猥雑さがない。
心の動きのようなものがあったとしても、
悲しみや怒りの純度が高くて、私が日々抱いているような鬱屈など
些末なものに思えてしまう。
こんな厳しい表情の彼女が
いつかは私にも柔らかな顔を見せてくれるのだろうか。
彼女には傅くようなつもりで接していきたい。
このシリーズの前後に撮影したものを何枚も残している。
それを part 2 として数日後に公開するつもりだ。