"Yui: In a room without the shadow" で不満を述べた明るい納戸。
雨の日の午後、北と東の窓を布で蔽い、天窓からの光だけにしてみた。
(続き)
考えてみれば、明るい部屋を暗くするのは簡単なことだ。
それが逆の場合なら、あれこれ機材を揃えなければならない。
ただ、立ち姿で瞳に光を入れようと考えると、
この部屋ではやはり難しいかもしれない。
この小さなビスクの子は暗い布の上に寝かせるだけで
立っているように見せることができる。
しかし、160cm あるような等身大ドールでは、寝かせただけでは、
こんなふうには見えないだろう。
脚立に登っての撮影というのも考えなければならないのだろうか。
それでも、明るい部屋の中に闇を作り出すという今回の目的は
ある程度達成したようだ。
この可愛らしい子の、何とも言えない雰囲気や個性が
私を助けてくれたようにも思う。
美しい女の子はどこにいても目を惹くものだが、
私の傍の、暗い世界にこうしていてくれたら
なんだか馴染み深い存在に思えてしまう。
他愛のない錯覚に過ぎないのだけれど…。