前屈み。猫背。伏し目がち。
椅子に座っていても、球体関節を繋ぐゴムの緩んだ、
どこか打ち棄てられた人形ふうの脱力感を感じてしまう。
(続き)
パニエを着けてハイカットスニーカーを履かせている。
立たせてみたらどんな感じなのか試してみたかった。
窓際の角に凭れかけさせて、怖々手を離した。
公称 160cm という身長だが、印象としてはもう少し低い感じがする。
立ち姿の基準が、私の場合、ティエラドールだからなのかもしれない。
画像がないのは、細い足首が支えている 27kg の重量が怖くて
カメラを構える余裕がなかったというのがあるし、
一旦床に寝かせようとした際、膝が変な具合に曲がりかけたのを見て
動顚してしまった所為でもある。
やっとの思いでカウンターチェアに座らせることができた。
その時にシリコンボディの匂いが強くなったように思ったのは
危ういところで抱き留めた動悸が治まっていなかった所為なのか。
購入以来、私のすぐ傍に置いていても、それほど匂わないのに、
アドレナリンなのかドーパミンなのか
そんなものが放出されていたのは私だけではなかったようだ。
肩を落として力なく座っているようにも見えるし
投げやりな悲しみともに
どこかホッとした表情も見てとれる。
このシリーズも惹きこまれるようして撮影したため
同工ながらボツにするには惜しいような画像が幾つか残っている。
日を置いて、続きを作るつもりにしている。