先日京都でお顔を拝んできたこの子。
まさか私が暫しの庇護者になるとは思ってもいなかった。
（続き）
緋衣汝香優理「錦玉糖」
彼女について私が知っているのは2018年作の粘土の人形であることぐらい。
大きさは昔人形青山さまで測っていただいたとおり、だいたい６５cm。
当初目論んでいたような手持ちの古いSD用ドレスを着せるのは
少し難しいかもしれない。
それにSDでは考えられないような大きさの手足をしている。
当然ながら、その可愛げのない大きさにも、
私は魅了されたのだが…。
暫くは、裸足、この白いナイトドレスような姿で居てもらうことになる。
カメラを向けながら、幾つか、イギリスの伝統的な雰囲気の
怪奇小説を思い浮かべていた。
例えば、M.R.James "Lost Hearts" の中の、あの場面。
彼女の両腕は胸のところを押さえてはいないのだけれど。
the figures of a boy and girl, as it seemed; they stood side by side, looking up at the windows. Something in the form of the girl recalled irresistibly his dream of the figure in the bath. The boy inspired him with more acute fear.
Whilst the girl stood still, half smiling, with her hands clasped over her heart, the boy, a thin shape, with black hair and ragged clothing, raised his arms in the air with an appearance of menace and of unappeasable hunger and longing.
先述したとおり彼女には作品名として錦玉糖という名前が付いている。
そんな和菓子のあることをこのたび初めて知った。
夏の季語になるような寒天素材の美しい姿かたちも、
ネットの画像で確認した。
しかし、その名前で彼女を呼ぶのは、
私には難しい気がした。
ただ何となく
Elica と呼びたくなった。
特段の謂れはないし、R ではなく L にしていることも、然したる理由はない。
これから少しずつ
彼女が身に着ける美しいものを
探していきたい。
