The quiet beauty of the doll

等身大の人形写真をメインにして。

再塗装

先日、9月14日付記事「綾苗の画像」(メインブログでは"Wearing pale green")の撮影時に気づいた不具合を解消したくなった。
再塗装は可能か LEVEL-D に問い合わせてみた。

(続き)

ヘッドのリメイクは通常業務とのこと。状態により1~5万円の差があり、具体的な費用は現物を確認してからの算定になるとのことだった。
綾苗ヘッドは、所謂「里親」として手に入れたもの。それによって拒否されることはなかった。

上3枚は、気になっていた部分を指定した画像。肉眼では分からないのだが、カメラレンズは見逃さない。
工房の方でも、肉眼では分からないとのことだった。メイクが薄れている箇所が幾つかと、梱包・輸送時に出来たらしい凹み以外は、比較的良い状態との評価。
経費は僅かで済みそうだった。指摘された凹みは、普段はウィッグで隠れる部分。手に入れた当時は、気づいていたのだが、すぐに忘れてしまっていた。

再塗装が終わり、戻ってきたもの。
埃等がついたまま撮影しているが、これも肉眼では分からなかった。
リップが鮮やかになり、新しいヘッドが届いたようにも見える。

指摘された右頬下部の凹みは、改めて見て、成程なぁという感じだった。修復は不可能だが、ウィッグを装着すれば、これまでどおり。その内にまた、忘れてしまう。

以下は、今回知ったことの幾つか。

ヘッドの内側、ボデイとの接続部に、後から盛られたシリコン樹脂(黄変部分)が見える。
ここには空気抜き用の穴が開いていたらしい。最初のオーナーが不要と考え、塞いでいたようだ。LEVEL-D の現行ヘッドは、2枚目のように頭頂部に穴がある。私が所有している未玲ヘッドも確かに開いていた。それに対してIris は開いていない。軽量化のため中子の材質を変更したのだが、熱膨張に弱いという欠点が考えられる。その予防措置としての穿孔だそうだ。今回の再塗装に際し、頭頂部に穴を開けてもらっている。

それと下睫毛。Iris や未玲と比べると、短いのが特徴だが、これは試行状態の時のものであるらしい。現行のヘッドでは通常の長さに戻されている。交換を希望するのであれば_というお誘いがあり、心が傾きかけた。しかし、この子の個性として、これまでどおり_とした。

その後、LEVEL-D のHPを見ると、 

*DD-03 綾苗AYANA 〔Basic〕
*DD-03 綾苗AYANA 〔Relax〕 との表示。販売停止?!

慌てて確認をとると、綾苗は、このところの発注がなく、思い切って製造中止にしたとのこと。受注のミスを減らすための決断であり、成形型は残しているため、希望があれば製造は可能とのことだった。

私の再塗装依頼は、考えてみれば、不思議な時期に巡り合ったようだ。

たまさか人形堂ものがたりの作者、津原泰水氏の訃報をネットで知ったのは、この下書きを書いているさなかだった。