The quiet beauty of the doll

等身大の人形写真をメインにして。

Iris: Some thoughts that cannot be solved

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前回の記事 "Iris: At a certain sunset" の時のカメラテスト_と記したいが、

ただボツ画像を集めたものに過ぎない。

しかし、彼女の持ち味が出ているような気がして、

一つの記事にまとめて残しておくことにした。

(続き)

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同じ窓辺の撮影でも、本編にあったミニチュアの救命浮輪は出てこない。

落日のインド洋を思い描いたのは、撮影後半になってからだった。

それまで何を想いながらシャッターを切っていたのか。

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この子の魅力は、この難しい表情にあると思っている。

同じ LEVEL-D のヘッドでも、

綾苗からは多幸感とでも言うべきものを感じているのに対して、

Iris からは常に、なぜ?という問いが発せられているように思っている。

彼女の顔に、静かな諦めや怒りに近いものを見てしまうのは

彼女の問いかけに応える力が私にはないからだろう。

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ここまで書いて、ふと「百億の昼と千億の夜」の文庫本の

「あとがきにかえて」という光瀬龍の一文を思い出した。

あとがきを書くのは好きではありませんという言葉で始まるこの短文は

高校生だった私には、光瀬龍の代表作とされる本編よりも心に残った。

絶対者を相手どって阿修羅王は永遠に戦いつづけなければならなくなった 

とか

そのひとみの奥には、ひそかに愛した一人の少女の面影もすでになく、

おのれの命運を掌握するものへのつきることのない問いかけだけがある など

今でも興福寺の阿修羅像を見るたびに思い返してしまう。

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かわいいだけのものよりも

唇を硬く結んだ難しい表情に心惹かれるのは

人形でも女性モデルに対しても変わらない。

私にだけ頬を緩めてもらえるとは思ってもいないのだが…。

澄み渡った空に浮かぶ月に焦がれる思いと

どこか似ているかもしれない。