相変わらずの白い衣装。
しかし、繊細なレースが生み出す翳の有様に見惚れてしまう。
ある人形作家の「人形には白い服が一番似合う」というコメントも
思い出していた。
(続き)
この衣装、一見するとブラウスとショートパンツの組み合わせのようだが
そうではない。
商品説明にはオールインワンであることが明記されていたのに
届いたものを見て初めて、上下が繋がっていることを理解した。
本来ならシリコンドールに着せるのを躊躇うタイプ。
襟刳りの大きいオフショルダーであることを理由に
少しばかり無理をしてみた。
ストレッチレースのお蔭で、思ったよりは楽に着せることができた。
ただ、襟刳りのゴムが一か所レースから解れてしまった。
豪華に見えても安価な商品だから仕方がない。
柔らかい布地を広げながら
私の手で繕うことが可能かどうか_考えた。
それでも華奢なものが持っている
一回こっきりの美しさ、魅力にまた惹きこまれてしまうのだが。
美しいドールに美しい衣装。片方だけでは満足しきれないし、
衣装は次々と変えていってこそ引き立つような気がする。
制約が多く、取り扱いに難儀するシリコンドールだが、
衣装とドールと、それを眺める私の気持ちが重なれば、
目の前に在るのは、この世のものとは思えない美しい存在となる。
大きな人形の持っている存在感が
他のものからは得ることのできない美しさに繋がっているのがよく分かる。