(続き)
4月半ばを過ぎたのに肌寒い日が続く。
早朝のジョギング時に、染井吉野も八重も見てはいるのだが、このまま5月になれば、今年は春が来なかったように思えてしまう。あれもこれも鬱陶しいこと、この上ない。多分、すっきりと終息することはなく、厭なこととして上手に付き合っていくしかないのだろう。
何か作業しているとき、頭の中では、古い歌が流れている。改めて聞き直してみたりはしないのだけれど、その時々の断片的な想いに繋がる歌詞から、懐かしいメロディーを口遊む。
プルトニウムの風に吹かれてゆこう 「旅人」_THE BLUE HEARTS
春の陽を待ちながら 駆ける娘は光の中 「春を待つ少女」_高石ともや&ザ・ナターシャセブン
「春を待つ少女」は高石ともやの声ではなく、シモンズの方で思い出していた。
高石ともやの声なら_と考えて出てくるのは
いついつまでも 僕の胸に きっときっと 想い出す けど もう あえぬ 「想い出の赤いヤッケ」
この美しい人形を見詰めながら、時間の中を行きつ戻りつしていた。