（続き）
「桜流し」ヱヴァQバージョンの動画を探して見ていた。
私の頭の中には、何故か深い海の底が広がっていて、茫漠とした広がりの中を潜水艦の黒々とした巨体が通り過ぎていく。
歩いて行ける場所に書店が無くなってから、ふと立ち寄る場所が無くなった。コンビニエンスストアでは間が持たない。そこで働いている人たちのことを考えると、気づつない思いが拭えないからだ。小さな書店が流通の仕組みから取り残されて成り立たなくなったのなら、町にはまた昔のように貸本屋が復活しても良いのではないか。サブマリン707も伊賀の影丸も或いは墓場の鬼太郎も、印象的なエピソードは貸本屋で借りて読んだ本の中にあった。当時、小学生が歩いて行けるような町内に何軒もあったのは、子供で溢れていた時代だった所為なのかもしれない。駄菓子屋・貸本屋がなくなって、模型店がなくなって、書店が消えて…
どこにも行き場のなくなった私は暗い部屋の中で、美しい人形を見詰めている。
