"Jean: Hello darkness" より明るい時間帯に撮ったシリーズ。
カメラを構えている気分は似たようなもの。然して違わない。
(続き)
それでも最初はこんな感じ。
いくらか華やかな雰囲気を目指していた。
しかし、ジャズ喫茶で水割りのウィスキーを飲んでいたのは、
もう昔のことで、
今では、専ら、乗り換え駅近くの
立ち飲みのできる酒屋になっている。
そこには退職する5~6年くらい前から寄り道するようになった。
店の中、少しばかり高い位置に、ブラウン管テレビがついている。
地上波デジタルとCSチューナーを後付けして、今も現役だ。
野球や相撲中継のない時期にはニュースチャンネルを流しているが、
一年中、無音。
誰かと話したいわけではない。
ウィスキーを一杯か二杯飲んで、帰りの電車に乗るだけだ。
私より少し上の世代が独りでやってきて、飲んでいるような店だから、
ご多分に漏れず、民族差別的な独り言や
親方日の丸と罵りながら飲む人が目立つようになった。
同意する相手は殆ど居ないし、
聞くに堪えないような雰囲気になる前に
やんわりと窘められているようだ。
安く酒を飲んで、少しばかり気分転換して、また明日。
この店のそんな雰囲気は、もう戻らないのかな。
仕事を辞めてしまったから、高い電車賃を払って出歩くこともないのだが、
こんな店でさえ、あれこれキナ臭いのが気にかかる。
飲み残した角のポケット瓶を鞄のポケットに入れて店を出た。