久しぶりの穏やかな雨。
窓辺の明かりに精一杯近づけてやって撮影した。
このシリーズ、最近では珍しく綺麗な青が印象に残る。
(続き)
この青は窓辺に置いたガラス瓶が写り込んだもの。
非日常の輝きに滲ませている。
雨の日の薄暗い光も、こうして眺めていると、
今年の秋の、あれこれ嫌なことを暫し忘れさせてくれる力があるようだ。
遠い日の、チャペルの高い窓から差し込む光を
何となく思い出していた。
窓の向こうの穏やかな雨は、
どこかではまた酷い雨になっているのかもしれない。
そんな思いが頭を過ぎっていく。
平穏な時間だけが当たり前のことではない。
プラスとマイナスが存在するように、災厄もまた当たり前に存在する。
米寿を祝った義母が手を合わせていた姿を思い出した。
何事もなく過ぎていきますように。
ささやかな祈りだが、
幸いは自分だけのものではないだろう。
青臭い理想でも薄汚い本音より
美しものは美しい。