The quiet beauty of the doll

等身大の人形写真をメインにして。

Yuzuki: They call me "DEKUNOBOU".

f:id:glitteringrivergreen:20191011105036j:plain

赤いカーディガン。

下は長袖の白いセーラー服。ファスナーで前開きするもの。

彼女には少しオーバーサイズでも、カーディガンを着せれば気にならない。

しかし何故赤なのか。

(続き)

f:id:glitteringrivergreen:20191011105051j:plain

f:id:glitteringrivergreen:20191011105046j:plain

スカートは勿論プリーツのある濃紺。

カーディガンもセーラー服もスカートも、私が勝手に組み合わせたもの。

どこかの学生を思い浮かべたわけではないし、

アイドルのコスプレ風衣装を目指したものでもない。

頭の中ではずっと「こがらし・えれじー」の歌詞が切れ切れに流れていて、

風繋がりからなのか、宮沢賢治のことを考えていた。

  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105101j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105106j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105111j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105056j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105117j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105121j:plain

f:id:glitteringrivergreen:20191011105126j:plain

手に入れてから気づいたのだが、

この赤いカーディガンは肘の部分だけ黒い糸に替えられて、

楕円の形が織り込まれている。

バックスキン等の肘当がついていた昔の流行りを真似たのだろうか。

私も働くようになってから、セーターやカーディガン、スタジアムジャンパーで

そんなデザインのものを幾つか買ってみたことを思い出す。

どれもこれも私に似合っていたとは言い難い。

それでも買い続けたのは、高校生の時に着ることができなかった

反動なのだろう。

  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105159j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105145j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105149j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191011105140j:plain

間違ったことを強弁されるのは論外だが、

正しいことを声高に主張している人の傍も居心地が悪い。

20代の頃住んでいた町の近所の酒屋は、角打ちの出来る店で、

夕方には仕事帰りの人たちで溢れていた。

あまりにも近くだったから、そこで飲んで帰ることはなく、

家用の酒を買うときぐらいにしか利用しなかった。

店に入ってすぐ、誰の目にも見える真正面には張り紙、

大書された「議論お断わり!」の文字が。

その一字一字に、朱墨の丸い傍点が付けられていた。

目にする度に、店主の叫びのようなものが好ましく、

何とも胸がすく思いがした。

f:id:glitteringrivergreen:20191011105154j:plain

f:id:glitteringrivergreen:20191011105136j:plain

一日の終わりの気分直しに飲んでいるはずの飲み屋の雰囲気が

どうも和やかではない。

顕著になった気がするのは、ここ5、6年ほど前から。

いつでも何かが敵のように罵られ、

無言のテレビに向かっても、毒づいている人を見かける。

しかし、これは集団として、昨日今日の病ではないのだろう。

山頭火の行乞記を読んでいても

然して変わらぬ言葉に出くわしたりもするのだから。

遠い目をしながら、一杯か二杯、黙って飲んで、

店を出るだけだ。