鬱々としていた一日の終わり。
西の窓辺に、この子を置いてみた。
(続き)
最初は、こんな感じ。
急速に翳っていって、夕暮れの色に染まる。
性に未分化な不思議な一時期。
今日の彼女を見ていて、そんな想いに耽った。
少しばかり肩が落ちたナイトドレスの下の薄い胸。
それが少年の面影に連なるのだろうか。
ただ、少年であれ、少女であれ
この子には、繊細な白いレースの下着が相応しい。
無ければ作ってやろうと考えるのがドーラーの本来なのだろうけれど、
仮に私の手になるものができたとしても
それをこの子に着せるのは、
何か穢れを押しつけるような感じを想像してしまう。
私には手の届かない無縁の世界があって、
夕暮れ時に吹き渡る風の向こうに
この子の世界があるように思えてきた。