東の窓に夕暮れの残照があることに気づいた。
道を隔てた向かいの家の窓硝子に反射したものが
スレート屋根の照り返しとして、我が家に入ってくるらしい。
この家に引っ越して3年目の発見。
詰まらない、どうでもいいようなことなのかもしれないが、
私には嬉しい驚きだった。
(続き)
撮影している場所は天窓のある例の納戸。
少しばかり片づけたため、画像では、すっきりした感じに見える。
季節の変化に伴い、日没が早くなっているが、
この部屋の中には未だ光が残っている。
後ろには先日作ったポスター。結局希望者は現われなかった。
美しいのに
ひどく悲しげに見えるのは何故なのか。
もともと眉根を寄せたような造形になっている。
それを前髪で隠して、そんな感じには見えないようにしているのだが、
今日は少しばかり眉間の表情が出てしまった。
悲しそうな彼女。
その背後に MANA 朗子の腕や顔が覗くのが気になって、
途中から、ポスターの天地を逆さまにしてみた。
不意に何か怪しいものが写り込んでしまった写真のように見えるのが厭だった。
その上、きちんとスカートを穿いていないのに撮影してしまったことも
彼女の気分を害したのだろうか。
初めて彼女を撮影した時のテストショットを思い出す。
何をもって幸せだとするのか
考え始めると答えは出ないのだが、
見たいと考えているのは、美しい人形の、幸せそうな写真。
たとえ難しい表情の子でも
所有者と共に良い時間を過ごしているのなら
必ずそれが画像に現れる。
SNSで蒐めているお気に入りの画像に連なるものとして、撮ってみたい。
今日の残照のように、光は思わぬ所から差し込んでくるし、
これまで見落としていたことも多いに違いない。
浅い眠りから目覚めた猫が
傍に誰もいないことに気づいて、鳴きだした。
4年が過ぎても、未だに抱っこさせてくれない猫なのだが。