The quiet beauty of the doll

等身大の人形写真をメインにして。

Iris: At a certain sunset

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昼間の暑さ。

毎年、夏はこんな暑さだったかな。

そんな詰まらぬことを考えてしまうぐらい

朦朧の中を生きている。

(続き)

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それでも、上の画像を撮った後、洗濯物を取り入れようとして外へ出たら

意外にも涼風に包まれた。

澄み渡った高い空に、日中の熱は吸い込まれてしまったかのようだ。

西の空には夕映えに染まる薄雲が広がっていた。

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カーテンの隙間から差し込んでいた日差しは

夕映えの前触れのようなものだったのかもしれない。

撮影しながら考えていたのはインド洋の遥かな落日。

移動の欲望を持たない私だから実際の風景を目にしたことはない。

頭の中で勝手に思い描いた架空のパノラマを愉しんでいる。

インド洋という特定の名前が出てきたのは

航空母艦赤城の精密な模型画像をSNSで目にしたからだと思う。

右から左に書かれた艦名の「あかぎ」。

トラス構造の支柱とそれが支えている飛行甲板。

そんな画像を眺めながら中学生の時に何度も読んだ

牧島貞一の文章を思い出していた。

セイロン島の都市コロンボ日本海軍の艦載機が空襲していたことや

太平洋戦争と言いながらインド洋まで艦隊を派遣していたことを知ったのは

河出書房の「ミッドウェー海戦」からだった。

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そこから赤道祭について父に尋ねたことを思い出した。

学校出たての船員は、赤道に赤い線があると本気で思っていて

呆れたということを聞かされたが、

赤道祭そのものは経験ないとのことだった。

そんなことを父に尋ねてみたくなったのは、

どくとるマンボウ航海記を読み終わった後だったからか。

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父は陸上勤務をついぞ希望しないまま定年退職を迎えた。

出不精の息子の分まで地球上を移動したのだろう。

私の空想のインド洋には

防暑服に身を包んだ兵隊の乗り組む軍艦赤城が見えるし、

赤道に引かれている赤い線を見逃すまいと目を凝らす

学校出たての若い船乗りがいる。

自室とその隣にあった仕事場の無線室を

短パン、スリッパ履きで行き来する父の姿も見えるようだ。