The quiet beauty of the doll

等身大の人形写真をメインにして。

Alice38: The little green bottle

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7月の終わりの陽射しが緑の硝子瓶に映える。

中に入っていたのは、地酒の濁り。

墓参りした後の昼食時、義父への献杯として頂いた。

(続き)

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38cm のこの子の傍にあるので、小さな瓶であることが分かる。

いつ頃からか、こんな大きさでも飲み切ることができなくなって、

1/3ほど残して持ち帰った。

元気だった頃の義父とは、それこそ一升ぐらいは、

一緒にすぐに空けていたものだったが。

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義父と飲む酒は楽しいものだった。

肴は自らおろしてくれた一本丸ごとのブリやハマチ。

大きな声で語られる仕事の話には随所に細かな数字が入っていた。

私は唯それを聞いているだけに過ぎなかったのだが…。

多分、いくら飲んでいても、父とは違い、私への遠慮があり、

無礼講という飲み方を信じない私にとって、

適度な距離を保った義父の飲み方は心地良かった。

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墓参りしても、亡き人が、そこにいると感じたことはない。

むろん千の風になっているとも思えない。

そのくせ、眩しい光の揺らめく街角や、夕暮れの道の向こうに

犬を連れて歩いている父を見つけたり、

大相撲中継のテレビ画面の中に義父を見つけたりする。

最初は、当然ながら、よく似た人がいると思っていたのだが、

最近では、これだけの人が集う場所には

亡き人が来ていても不思議ではないと考えるようになった。

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彼岸は、西方遥か彼方にあるのではなく、

身近な硝子の輝きの中にも垣間見ることができる。

人形の中にいろんな人の顔を思い浮かべているのと

然したる違いはない。