ひと月ほど前と変わらぬ姿で登場。
その間、頭部にはビニール袋を被せていたけれど、
この姿で私の傍に立っていた。
(続き)
同じ頃、玄関にはずっと、切り花のアナベルがあって、
とっくに落花してしまったユリに比べ、
アジサイの強かさを感じている。
最初殆ど白だったのが、少しずつ色付いて、
今は彼女のドレスの色に似てきているという変化はあるのだけれど。
玄関の暗がりにあるアジサイが
今日の Iris の撮影に繋がった。
背景に青扇さまの書を持ってきたのは
"Akiko: Dark forest of words" の記事同様、ゴシックを意識したため。
この子が持っている雰囲気やドレスが、そうさせるのかもしれない。
ゴシック小説の系譜に惹かれてはいても、
古城が舞台になるような小説には意外に縁がない。
Phyllis A.Whitney 等の女流ゴシック小説をペーパーバックで読んだ程度。
高校生の時に目にした平井呈一訳の「オトラント城綺譚」は
癖の強い訳文にどうしても馴染めなくて、
読み進められなくなったことを思い出す。
あくまでも楽しみとしての読書だから、それで構わないのだけれど、
その後の自分の歩みを想うと、
新人物往来社の背表紙を見るたびに、ほろ苦い気持ちになってしまう。
薄暗い背景に佇む彼女の美しさ。
大書された文字の連なりが、彼女の心の中に響く
遠い声のように思えてくる。
花には花の美しさがあり、
等身大ドールからは、ブログの名前にしたとおり、
静かな美しさを感じている。