黄褐色の生地に黒いドット柄。
綺麗なAラインのワンピースを綾苗に。
クッションドールだから、半袖は避けるべき_なのだけれど。
(続き)
梅雨らしい曇天の一日。
仄暗い闇の底に寝転んでいて、窓を蔽った布を透過する光を見つめていた。
時折、飼い猫がやってきて、
暫く傍に座っていたりするが、私がうとうとしかけると
何処かへ行ってしまう。
その間、私が呼びかけても一声も発しないし、体を摺り寄せたりもしない。
気難しいけれど、静かな美しい猫だ。
暗い部屋に立たせているこの子の目の輝きに見惚れている。
LEVEL-D のシリコンヘッドでも
ボディはフレキシブルマネキンのエフドールだから
160cm 等身大ドールの立ち姿を心安らかに眺めることができる。
半袖から剥き出しになっている両腕さえ見なければ
そこに立っているのは、静かな美しい女の子なのだ。
雨が降ってくる前の軽い偏頭痛を感じながら、
部屋の中のひんやりした空気に身を任せている。
湿度はそれなりにあるのだろうけれど、
足先を冷たく感じるような涼しさが不思議だ。
この夏は久しぶりの冷夏になるのだろうか。